開放式と密閉式の違い
冷却塔には、大きく分けて開放式冷却塔と密閉式冷却塔の2種類があります。種類によって基本的な構造に違いがあるほか、メリットやデメリットも異なるので注意が必要です。違いを押さえ、自社に適した冷却塔を導入しましょう。
ここでは、開放式冷却塔と密閉式冷却塔の特徴や違いを解説します。
開放式冷却塔とは

開放式冷却塔は、内部を循環する冷却水に外気を直接当てる冷却塔のことをいいます。熱交換器には充填材が使用されており、冷却水が蒸発することによって温度を下げる仕組みになっています。
開放式冷却塔はシンプルな構造をしており、後述の密閉式冷却塔と比較して導入コストを抑えられる場合があります。冷却塔本体もコンパクトで軽量なため、省スペースに設置できる点もメリットといえます。イニシャルコストを抑えたい時や、設置スペースが限られる時に適した冷却塔です。
しかし冷却水が外気に直接触れるため、密閉式冷却塔と比較してスケール(沈殿物)や汚泥が発生し、水質が悪化しやすいというデメリットがあります。水質を保つには、冷却塔内部や水槽のこまめな清掃と厳重な水質管理が欠かせません。
密閉式冷却塔とは

密閉式冷却塔は、配管(熱交換器)の中を冷却水が循環する冷却塔をいいます。熱交換器の外部には散水装置が設置されており、散布水が外気と触れて熱交換器の冷却水を冷やす仕組みになっています。
密閉式冷却塔は冷却水が外気に触れないため、周辺環境の外気の影響を受けずに済むのがメリットです。開放式冷却塔と比べ、水質管理の手間がほとんどかかりません。冷却水の水質低下による設備への影響も抑えられることから、設備の劣化も防止できます。
一方、密閉式冷却塔は構造が複雑で、開放式冷却塔と比較して設置コストが高くなる場合があります。冬季は冷却水凍結による配管破断のリスクもあるため、防凍液の利用や加熱装置の導入など凍結防止対策の追加コストが必要となるからです。
開放式冷却塔と
密閉式冷却塔の違い
開放式冷却塔と密閉式冷却塔の主な違いは、冷却水を冷やす方法にあります。開放式冷却塔は、外気と冷却水が触れ合う直接冷却です。一方の密閉式冷却塔は、散布水が蒸発して配管内の冷却水を冷やす間接冷却を取り入れています。
また、開放式冷却塔は熱交換器に充填材を使用しますが、密閉式冷却塔は冷却水が流れる配管が熱交換器となります。このほか、導入時のコストや維持管理にかかる手間にも違いが見られます。導入時はメーカーと時間をかけて相談し、導入施設・環境に合わせた冷却塔を選ぶことが大切です。



