冷却塔の種類
冷却塔は、大きくカウンターフローとクロスフローの2種類に分けられます。主に水(冷却水・散布水)と外気が触れ合う方向によって区分されていますが、メリットやデメリットにも違いが見られます。
ここでは、冷却塔の種類ごとの特徴や違いについて詳しく解説します。
カウンターフロー
(向流型) 冷却塔とは
カウンターフローは、空気と水が向かい合った状態で触れ合うタイプの冷却塔をいいます。外周から風を吸い込む構造で、向流型冷却塔と呼ばれる場合もあります。
カウンターフロー冷却塔は、本体の下部から外気を取り入れ、上部から散水装置で水を落下させる構造が特徴です。これにより、本体内部に設置された熱交換器(充填材や配管)で水と外気が触れ、温度を下げられるようになっています。
カウンターフロー冷却塔は構造が簡略化されており、設置コストが安価で済むという強みがあります。また、設置面積を小さく抑えられるため、限られたスペースを有効に活用できます。一方で、内部のメンテナンススペースが極めて狭く、運転中には中に入れないなどメンテナンス性が比較的悪いというデメリットがあります。そのため、現在では超小型機を除き、国内での採用は稀となっています。
クロスフロー
(直交流型) 冷却塔とは
クロスフローは、落下する水に対して横から外気が触れ合うタイプの冷却塔です。水と外気が十字に触れ合うことから、直交流型冷却塔と呼ばれる場合もあります。
クロスフロー冷却塔は、本体の中央~上部付近にルーバーが設置されています。なお、片面のみ外気を取り込むタイプはシングルクロスフロー(片吸い込み)、両面から取り込むタイプはダブルクロスフロー(両吸い込み)と呼ばれています。
クロスフロー冷却塔は冷却水の飛散による損失が少なく、節水によるコスト削減が可能です。また、内部のメンテナンススペースが広く、運転中でも中に入れるなどメンテナンス性が極めて高い点も大きな強みです。現在、国内ではスタンダードな方式として広く採用されています。
カウンターフローと
クロスフローの違い

カウンターフローとクロスフローの大きな違いは、水と外気が接触する方向にあります。カウンターフローは、落下する水と上昇する外気が向かい合う形になりますが、クロスフローは十字に交差します。
また、カウンターフローは充填材をルーバーより上に取り付けますが、クロスフローはルーバーに隣り合うように設置します。これにより、ファンの動力や充填材の劣化度合いも大きく変わります。ランニングコストにも影響するので注意しましょう。
コンバインドフロー
(複合型)冷却塔とは
コンバインドフローは、カウンターフロー(向流)とクロスフロー(直交流)の長所を融合させた、主に密閉式冷却塔に採用される先進的な方式です。1990年代に誕生したコンバインドフローテクノロジーと呼ばれる技術で、「複合型」や「混合流」冷却塔とも呼ばれます。
最大の特徴は、冷却コイル部分において、空気と散布水が同じ方向(上から下)に流れる構造にあります。上部から取り込まれた新鮮な外気と散布水が同方向に流れながら熱交換を行うため、コイル表面が常に水で完全に覆われ、部分的な乾燥によるスケール(水垢)の付着を最小限に抑えることができます。その後、散布水は下部の充填材(フィル)で横方向からの空気(クロスフロー)によってさらに効率よく冷却されます。
この高い熱交換効率により、外気の湿球温度に対するアプローチ(温度差)を最小1.2℃まで近づける優れた冷却性能を発揮します。そのため、年間を通じて高負荷かつ安定した冷却が求められるデータセンターや半導体工場などの施設に適しています。一方で、内部構造が複雑になるため、一般的な単一方式に比べて初期コストが高くなる傾向があり、メンテナンス時の作業が煩雑になるというデメリットがあります。
開放式冷却塔と
密閉式冷却塔の違い
開放式冷却塔と密閉式冷却塔の大きな違いは冷却水を冷やすプロセスです。開放式冷却塔は、外気と冷却水が直接接触する構造になっています。外気によって冷却水が汚染されやすいため、冷却塔のこまめな清掃が必要です。
一方、密閉式冷却塔は散布水が外気と接触する構造になっています。冷却水は熱交換器(配管)を流れており、外気と触れ合うことはありません。一方で構造が複雑化しやすいため、設置費用が高くなる可能性があります。



