冷却塔のメンテナンス

冷却塔(クーリングタワー)は、空調設備や産業用機械の安定稼働に欠かせない重要な装置です。機器の選定と同様に、導入後の保守管理体制は気になるところではないでしょうか。

こちらでは、冷却塔の基礎知識として、メンテナンスの重要性や具体的な作業内容について解説します。

知っておくべき冷却塔に関する法定点検

冷却塔のメンテナンスにおいて、まずは法律で定められた点検や清掃の義務を把握しておく必要があります。関連する法令を正しく理解し、適正な管理体制を構築することが求められます。

建築物衛生法に基づく点検・清掃義務

一定規模以上の商業ビルや施設では、建築物衛生法が適用されます。同法の施行規則(建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行規則)では、冷却塔の維持管理について以下のような措置が明記されています。

二 冷却塔及び冷却水について、当該冷却塔の使用開始時及び使用を開始した後、一月以内ごとに一回、定期に、その汚れの状況を点検し、必要に応じ、その清掃及び換水等を行うこと。ただし、一月を超える期間使用しない冷却塔に係る当該使用しない期間においては、この限りでない。

五 冷却塔、冷却水の水管及び加湿装置の清掃を、それぞれ一年以内ごとに一回、定期に、行うこと。

※参照元:建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行規則 | e-Gov 法令検索
(https://laws.e-gov.go.jp/law/346M50000100002/)

このように、使用開始時や毎月の点検、そして年1回以上の清掃が法令によって明確に義務付けられています。具体的には、冷却水系の汚れやスライムの除去、レジオネラ属菌の発生を防ぐための措置が必要になります。

冷却塔(クーリングタワー)におけるメンテナンスの重要性

法令遵守はもちろんのこと、日々のメンテナンスは設備の安定稼働と安全性を確保するために不可欠なプロセスです。適切な管理を行うことで、以下のようなメリットが生まれます。

設備の長寿命化とランニングコストの削減

定期的なメンテナンスを実施することは、設備の長寿命化につながります。部品の摩耗や内部の汚れを早期に発見し、適切に対処することで、突発的な故障のリスクが減少します。

例えば、充填材に付着したスケール汚れを高圧洗浄で取り除けば、熱交換効率が回復し、余分な電力消費を抑えられます。その結果、ランニングコストの削減も期待できるでしょう。

レジオネラ属菌などの衛生管理対策

公衆衛生の観点からも日々のメンテナンスは非常に重要です。冷却水が循環する環境下では、レジオネラ属菌などの有害な細菌が繁殖しやすい状態になりがちです。そのため、定期的な水質検査や専用の殺菌剤の投入が求められます。水質を適切にコントロールすることで、周囲の環境や作業員の人体への悪影響を未然に防ぐことが可能です。

冷却塔メンテナンスの主な作業内容

実際に、冷却塔のメンテナンスではどのような作業が行われているのでしょうか。基本的には、日常的な確認作業と定期的な詳細点検に大別されます。

日常点検と定期点検の違い

点検作業は、実施する頻度や目的によって内容が大きく異なります。日常点検では、ファン稼働時の異音や振動の有無、下部水槽の水位確認など、目視や聴覚による簡易的なチェックを主に行います。

一方で定期点検は、機器を一旦停止させて行う詳細な調査です。モーターの絶縁抵抗測定や、各駆動部品の摩耗状態などを専門的な視点で細かく確認します。

清掃および消耗部品の交換目安

高い冷却能力を維持するためには、定期的な清掃と部品の交換が欠かせません。日常的なケアに加えて、以下の作業を計画的に実施しましょう。

  • 内部の洗浄:ストレーナーや水槽内のゴミ・泥を取り除きます。
  • 消耗部品の交換:Vベルトやベアリングなどの駆動部品を新調します。
  • 水質の管理:水処理剤を投入し、スケールやスライムを防ぎます。

冷却塔の内部は外部からの異物が溜まりやすいため、シーズンごとの洗浄が必要です。また、消耗部品は稼働時間に応じて確実に劣化します。メーカーが推奨する交換時期を目安にしつつ、計画的なメンテナンスを実施してください。

メンテナンスを怠った際に発生するリスク

適切な保守管理を行わない場合、設備運用にさまざまな問題が発生する可能性があります。想定されるリスクを正しく理解し、予防に努めましょう。

法令違反による罰則や企業信用の失墜

法定点検や清掃を怠ることは、企業のコンプライアンスに関わる大きな問題です。万が一、清掃義務を怠った結果としてレジオネラ症の感染事故を発生させてしまった場合、厳しい法的な罰則を受ける可能性があります。さらに、社会的な企業信用の失墜にも直結するため、専門業者と連携した確実なメンテナンス体制の構築が不可欠です。

冷却能力の低下と重大なシステムトラブル

物理的なメンテナンス不足は、深刻なシステム障害を引き起こす要因となります。スケールの付着や循環水の汚れを放置すると、冷却能力が著しく低下します。そのまま無理に稼働を続けると、空調が全く効かなくなるだけでなく、接続された製造ラインの停止といった重大なトラブルに発展しかねません。

まとめ

冷却塔の適切な運用には、法令で定められた点検義務の遵守と、継続的かつ計画的なメンテナンスが欠かせません。日常的な点検や定期的な清掃を実施することで、設備の長寿命化やランニングコストの削減、そして衛生環境の維持が実現できます。

また、思わぬシステムトラブルや法令違反によるリスクを未然に防ぐことも重要です。新たに冷却塔の導入や機器の更新を検討される際は、メンテナンスのしやすさや、メーカーの充実したアフターサポート体制も考慮して選定してみてはいかがでしょうか。

導入施設別 おすすめの メーカー 3

データセンターやオフィスビル・商業施設、発電所など、さまざまな施設で利用されている冷却塔。以下ではおすすめの冷却塔メーカーをご紹介します。各社得意とする施設は異なりますので、自社に合ったメーカー選びにお役立てください。

データセンターや
半導体工場への導入なら
日本ビー・エー・シー
日本ビー・エー・シー
引用元:日本ビー・エー・シー公式HP
(https://bacj.co.jp/)
おすすめ理由

常時熱負荷が高い施設を
効率的に冷却

設計仕様どおりの性能を保証する「CTI認証」取得製品をラインナップ。
想定どおりの運転が保証された品質安定性で、データセンターや半導体工場などの温度管理が厳しい現場での温度管理の安定化を実現します。
その効率的かつ安定した冷却システムにより、196ヶ国への導入実績(2024年11月15日調査時点) を誇ります。

※参照元:日本ビー・エー・シー公式HP
(https://bacj.co.jp/)
オフィスビルや
商業施設
への導入なら
荏原冷熱システム
荏原冷熱システム
引用元:荏原冷熱システム公式HP
(https://www.ers.ebara.com/)
おすすめ理由

周辺環境に配慮した、
静音・低振動の冷却塔を提供

国内を中心に「梅田阪急ビル」「横浜赤レンガ倉庫」などの商業施設や、住宅地に隣接する施設にも多数導入されています。
冷却塔は静音設計や低振動の遠心ファンを採用し、周辺環境に配慮した施設運営を実現。
ユニット搬入型の製品も取り扱っており、限られたスペースへの設置や短期間での導入が求められる施設にも対応しています。

※参照元:荏原冷熱システム公式HP
(https://www.ers.ebara.com/cases/)
発電所や
製鉄所への導入なら
新日本レイキ
新日本レイキ
引用元:新日本レイキ公式HP
(https://www.reiki-ct.co.jp/service/)
おすすめ理由

塩害や高温高湿などの
過酷な環境下に対応

耐腐食性に優れたFRPや耐食鋼材を採用し、高温・高湿環境に求められる耐久性を備えます。
環境や用途にあわせ現地組立型の冷却塔を提供するほか、タービン冷却や製鉄プロセスの温度管理など、大規模施設ならではの冷却ニーズに対応。
国内の発電所や製鉄所などへ大型冷却塔を導入した実績は2,150基以上(2025年1月24日調査時点)にもなります。

※参照元:新日本レイキ公式HP
(https://www.reiki-ct.co.jp/works/)
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