物流倉庫・冷凍倉庫向け冷却塔の選び方
食品や医薬品などを低温で保管する冷凍倉庫・冷蔵倉庫では、冷凍設備で庫内を冷やし、そのとき発生した熱を外へ逃がしています。この放熱を担う設備のひとつが冷却塔です。
冷凍倉庫は、保管している商品の品質を守るために、冷凍設備を止めずに運転し続ける必要があります。ここでは、物流倉庫・冷凍倉庫に冷却塔を導入する際に押さえておきたいポイントを、施設特有の事情とあわせて解説します。
冷凍倉庫で冷却塔が使われる仕組み
冷凍設備は、庫内から奪った熱を凝縮器で外へ放出します。凝縮器には空気で冷やす空冷式と、冷却水で冷やす水冷式があり、水冷式では温まった冷却水を冷却塔で冷やして繰り返し使用します。
冷却塔の能力が不足したり、トラブルで停止したりすると、冷凍設備が十分に熱を逃がせなくなります。その結果、庫内の温度が上がり、保管している商品の品質に影響するおそれがある点に注意が必要です。
導入時に押さえるべき4つのポイント
物流倉庫・冷凍倉庫に冷却塔を導入する際は、以下の観点を軸に検討を進めましょう。
- 冷凍設備に合わせた放熱方式の選定
- 夏場のピークを見込んだ冷却能力
- 止められない運用を支える構成
- 水質・衛生管理のしやすさ
冷凍設備に合わせた放熱方式の選定
冷却塔のほかに、冷媒を直接冷やして凝縮させる蒸発式凝縮器(エバコン)という選択肢もあります。冷凍設備の種類や規模に合った放熱方式を選ぶことが大切です。
夏場のピークを見込んだ冷却能力
外気温が高い夏場は、放熱の負荷が大きくなります。入出庫が多い時期の負荷も含めて、余裕のある能力設計を検討しましょう。
止められない運用を支える構成
冷凍倉庫は、計画外の停止が許されない施設です。複数台に分けて設置するなど、一部が停止・メンテナンス中でも冷却を続けられる構成にしておくと安心です。
水質・衛生管理のしやすさ
冷却塔は水を扱う設備のため、スケールやスライム、レジオネラ属菌への対策が欠かせません。定期的な点検・清掃を続けられるよう、メンテナンスしやすい構造かどうかも確認しておきましょう。
冷凍設備の放熱方式の比較
冷凍設備の放熱方式には、主に以下の3つがあります。設置スペースや運用条件に応じて選定しましょう。
| 方式 | 特徴 |
|---|---|
| 空冷式 | 冷却水の配管が不要で構成がシンプルな一方、一般に水冷式より冷却効率は劣るとされる |
| 水冷式(冷却塔) | 冷却効率が良いとされる一方、冷却水の配管や水質管理が必要になる |
| 蒸発式凝縮器 | 水の蒸発を利用して冷媒を直接冷やすため、設置スペースやエネルギーの削減が期待できる |
まとめ
物流倉庫・冷凍倉庫への冷却塔導入では、冷凍設備に合った放熱方式、夏場を見込んだ能力、止められない運用を支える構成、水質・衛生管理のしやすさが重要な判断軸となります。これらを満たすには、冷凍設備向けの製品や導入実績が豊富なメーカーを選ぶことが近道です。自施設の条件を整理したうえで、冷却塔メーカーの比較・検討を進めてください。



